「今度、俺とデートしてください」
「えっ…!」
「先輩の行きたいところ、行きましょう」
「ほんと…!?」
「はい。部活がない日に先輩と出かけたいです」
ああ、本当に御坂くんは私を気にかけてくれる。
部活がない日は家でゆっくり休みたいはずなのに、こうして私の時間を優先しようとしてくれているのだ。
「うーん、水族館とか遊園地とか、小さい頃以来行ってないところに行きたいなぁ」
「いいですね。
目を輝かせる先輩が想像できます」
電車に乗り込んでからもデートの話をすることになり、私は行きたいところを口にしていた。
御坂くんは決して嫌とは言わず、ただにこにこ穏やかに笑いながら見守られるものだから、どっちが先輩かわからない。



