「もう絶対頑張ってスタメン選ばれて、先輩にかっこいいところ見せますね」

「うん…でも、御坂くんは今もかっこいいよ?」
「それ言うの禁止です。調子に乗りますよ」


そんなこと言って、御坂くんは絶対に調子に乗らないってわかっている。

真面目で、バスケに対する気持ちが誰よりも強い彼はこれからもどんどん上を目指して上手くなっていくのだろうと確信しているほどだ。


だから大丈夫、御坂くんなら絶対に過去とケジメがつけられる。


「御坂くん」
「なんですか」

「まだ帰りたくないです」
「帰ります」

「嫌だ」

「これ以上だと心臓が壊れそうなので、今日は帰ってください」


まだ御坂くんと一緒にいたいというのに、彼はそれを許してくれなくて。

結局家に帰されてしまったけれど、心は幸せな気持ちでいっぱいだった。