「ほら黙った」
「ち、違う…!私は御坂くんのことなんか…御坂くんだって」
「理玖との時間がなくなって寂しかったんでしょ?
それはどうして?」
「うっ…」
鋭いのは琴葉のほうだ。
痛いところを突いてくるため、逃げられなくなる。
自分でもわかっていたけれど隠していた。
だって御坂くんのことを好きになっていると気づいたところで、彼は私のことを“先輩”としてしか見ていないのだ。
「で、どうなの?」
「御坂くんが好き、だけど…その、御坂くんは先輩としてしか見てないだろうし…」
鼓動が速まり、顔も熱くなるのがわかる。
口にして認めることがこんなにも恥ずかしいだなんて。
御坂くんと一ヶ月ほど疎遠になり、会える時間が少なくなるほど寂しくなって。
御坂くんが女の子と話している時にイライラしたのは間違いなく嫉妬。
“特別な関係”と言われた時、嫌じゃなかったのが本音。



