「琴葉?
何か私に隠してる?」

「あー、えーっと…」


不自然に逸らされる目。
これは絶対に何かある。


「琴葉!
私に教えなさい!」


幼なじみだというのに隠し事をされるのは腑に落ちず、琴葉に迫って聞き出そうとすると、諦めたのか彼女がため息を吐いた。


「絶対に言わないでね…?」
「言わないよ!」

「か、彼氏が、できました…?」


なぜか疑問形で話す琴葉だったけれど。
それどころではなかった。


「え、ええ!?
あ、あ、相手は誰ですか!」

「し、秀太、だけど…」

「筧くん!?え、琴葉おめでとう…!
片想いが叶ったんだね!」

「ちょ、どうして片想いって知ってたの?」
「琴葉が筧くんと話してる時の反応見てたらわかるよ!」


筧くんが好きなんだってことは十分伝わっていた。