外に出るとすでに琴葉は待っており、私を見つけるなり手を振ってくれた。


「咲〜、早くしないと電車間に合わないよ」
「ご、ごめん…!」

「差し入れはもう高校近くのコンビニでいいよね?」
「うん!」


黒のパンツに白のシャツ姿の琴葉はかっこいいお姉さんのようで、とても似合っていた。

身長が160後半の琴葉は足も長くて、同じ高校二年には見えないほど大人びている。


メイクもしているし、ノーメイクの私とまったく違うけれど。

普段からあまりしないメイクをしたら、絶対に変に思われるため今日もすっぴん姿である。


「いいなぁ、咲…」
「えっ?」

羨ましいと思ったのは私のほうだというのに、歩き始めるなりなぜか琴葉に羨ましいと言われた。