「御坂くんのバスケ姿、楽しみだ…!」
「……っ、先輩。期待はしないでください」

「やだ、期待する。
でもプレッシャーは感じないでね」

「それは大丈夫です。先輩が観に来てくれたらいつも以上に頑張れる気がします」

「本当?あっ、じゃあ琴葉も誘うね!」


さすがにひとりで観に行く勇気はない。
電車にひとりで乗るのはまだ怖いという気持ちもある。


「はい。
会場はここなんで、来てくれると嬉しいです」

「絶対に行きます!」


どうしよう、すごく楽しみだ。

御坂くんの知らない一面を見れるかもしれないと思うと、頬が緩んでしまう。


「ふふ、楽しみだなぁ…」
「木原先輩」

「何ですか」
「そんな顔、今するのは禁止です」

「えっ、気持ち悪かった?」


私がにやけていたため、気持ち悪がられたかもしれないと思い不安になる。


「逆です、そんな顔されると期待しそうになるんで…」

「期待?」
「はい。恥ずかしいんで、これ以上は言えません」


よくわからない御坂くんの言葉に首を傾げながらも、それ以上に楽しみだった私はいつのまにか明るい気持ちでお弁当を食べていた。