それから一週間が経ち、その日の朝も琴葉と一緒に登校していた私。

学校の最寄駅に着き、いつも通り学校までの道を歩いていた。


「はぁ…」

琴葉と同じクラスで嬉しいはずなのに、自然とため息が吐いてしまう。


「咲、どうしたの?
ため息なんか吐いて」

「毎日、しんどいなって」
「ああ。秀太のこと?」


まさにその通りだったため、頷く私。


彼、筧くんとは席が前後だった。
その結果毎日のように話しかけてきて。

そのたびに嫌な汗が流れ、俯き逃げる日々が続いていたというのに。


中々折れてくれない彼は、ついに授業中にまで話しかけてきたのだ。


折れてくれない理由は、私に好意を抱いておらず、ただ単に興味を持たれているからだろう。