「秀太、咲が怖がってるでしょ。
無理に話しかけないで」

「無理にじゃねぇのに…それに俺、琴葉の知り合いだから別に怖がる必要は」

「だからそんな迫らないで!
震えてるのわからない?」


そう、先ほどから恐怖心でいっぱいの私は指先や肩が震えていて。

ダメだとわかっていても、無意識に震えてしまうのだ。



「でも俺、木原ちゃんと仲良くしてぇ」

「だから咲の気持ちを考えなさいよ。せっかく男嫌いを克服しようってなってるんだから、恐怖心植え付けないであげて」

「え、そうなのか?どうやって?」
「理玖(りく)に頼もうと思って」


ひとり、小さく震えているとまた話を進めるふたり。
けれどまったく頭に入ってこない。