「本当にダメ、御坂くん。
家帰ってから食べてください」
じっと御坂くんの目を見つめながら懇願する。
ここで引くわけにはいかない。
ぎゅっとブレザーの袖を掴む手にも力が入り、御坂くんを見つめていると───
「……っ」
なんと御坂くんが諦めてくれたのか、パッと顔を背けられた。
「み、御坂くん…!」
これはわかってくれたのかな、と嬉しくなりながら彼の名前を呼ぶ。
「ちゃんと家に帰ってから食べるんで、それやめてください」
「それ…?」
「あー、もう……先輩は鋭いんですか無自覚なんですか、どっちなんですか」
「ちょ、落ち着いて…」
突然質問攻めされるものだから、思わず目を逸らした私。
「変な御坂くん」
「こうさせたのは先輩ですからね」
「わ、私のせいですか!?」
「そうです。反省してください」
なぜか御坂くんの様子が変になった原因を私のせいにされてしまい、この話は終わってしまった。