「まるで男は怪物扱いですね」
「私にとったらそれぐらい怖いよ…」
「じゃあ昨日の朝まで俺は怪物扱いされてたんですか…複雑です」
「も、もう御坂くんは大丈夫だから…ごめんなさい」
私だってできれば恐怖心を抱かず接したいけれど、体自体が拒否しているのだから仕方がない。
それほど過去に囚われているのだ。
「その言い方、本当にずるいですよね」
「えっ…」
「なんか特別感あるじゃないですか」
「特別感?」
御坂くんが何を伝えたいのかわからなくて、思わず首を傾げてしまう。
するとその時電車がガタッと大きく揺れ、バランスを崩した私は思わず御坂くんのブレザーの袖を掴んでしまった。



