「確かに渡してたけど、どうして御坂くんが知ってるの?」
純粋に思った疑問を口にすると、御坂くんが肩を跳ねらせた。
もしかして聞いてはいけないことなのだろうか。
なぜか気まずそうに目を逸らされる。
「御坂くん…?」
「せ、先輩も堂々と渡してましたよ。
男バスの間でも有名でした」
「えっ、嘘……」
なるべく目立たないよう、琴葉を呼んで隅のほうで渡していたはずなのに。
それでも男の人たちから認知されていたんだと思えば少し怖い。
これからはもっと注意しようと思ってしまう。
「これからは気をつけよう…」
「はい、気をつけてください。
先輩を見たら男が黙ってませんよ」
「や、やだ…怖いこと言わないで」
男の人が黙ってないだなんて、想像しただけでも恐ろしい。



