「さっき俺にくれるって言ったのに」
「き、気なんて遣わなくていいよ?」
「嬉しいと舞い上がった自分がバカみたいじゃないですか」
そう言ってため息を吐いた御坂くんは、暗い表情をしていた。
本当に気を遣っているわけではないのだろうか。
「でも、迷惑じゃない…?」
「迷惑、ですか?」
私の言ったことを繰り返す御坂くんに対し、コクコクと頷く。
「どうして迷惑なんて思うんですか」
「その、下心があると思われちゃったら…御坂くん、離れるんじゃないかなって…」
せっかく御坂くんだと大丈夫になったというのに、また振り出しに戻ってしまう。
「木原先輩は何もわかってないですね」
「えっ…」
「さっき嬉しくて舞い上がったって言ったじゃないですか」
少し照れくさそうに笑う御坂くんに、キュンとしてしまう。



