御坂くん、溺愛しないで。




「何のサプライズですか、それ。
すごく嬉しいです」

「え、やっ…あの違うの!」


このままでは御坂くんに気を遣わせてしまう。
そう思った私は慌てて違うと否定する。



「御坂くんのじゃないです!
これは琴葉にあげるやつなの…」


これで御坂くんも安心するだろうと思っていたけれど、何故か目を見張っていた彼。

一体それはどういう反応なのだろうか。
安心したような表情には見えない。



「み、御坂くん…?」
「上げて落とすって一番ずるいですよ、先輩」

「えっ、と…」


どうしてか、御坂くんの声のトーンが落ちた気がする。


少しムッとしているように見えなくもない。

何か不機嫌にさせるようなことを言ってしまっただろうか。


思い返そうとしたけれど、特に覚えはなかった。