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「はぁ…」
朝から両親にラッピングしたパウンドケーキを見られるというハプニングがあり、特にお母さんには御坂くんの存在を察せられた様子である。
そのせいで何度もため息を吐きながら準備を済ませた私は、いつも通りの時間に外へ出た。
手には小さな黒い紙袋を持っており、中にはパウンドケーキが入ってある。
そして家の前で琴葉を待っていると、スカートのポケットに入れてあるスマホが振動した。
なんとなく嫌な予感がしたため、恐る恐るスマホを取り出し画面を見ると───
「……っ、え…」
琴葉からメッセージがきていた。
さらに寝坊ではなく、【もう先に行ってるから、理玖と一緒に学校来るようにね。】という衝撃の内容で、思わず目を見張り口が開いてしまう。



