「ほ、ほら…かわいい系の小柄な男の人だから……大丈夫で」
もし御坂くんを見たらお父さんは黙ってないだろうし、イケメンに目がないお母さんは目を輝かせて『彼氏なのか』と迫ってくるかもしれない。
それだけは避けたいため、なんとか適当に嘘をつく。
「へぇ、そうなんだ。
まあ琴葉ちゃんに聞けばわかるんだけどね」
「ま、待ってお母さんそれだけは…」
「なーに?かわいい系の小柄な男なんでしょ?」
キッチンから顔を覗かせたお母さんはにっこりと作り笑いを浮かべている。
何やら楽しそうだったため、これは嘘だと見破られたなと思った。
だって私のお母さんと琴葉は仲が良い。
そのため、お母さんが聞けば琴葉は全部話してしまうだろう。
そしたら御坂くんの存在がバレてしまい、お母さんが『かっこいい!』とか『捕まえて彼氏にしなさいよ!』と騒ぐ姿は容易に想像できた。



