「ここは、物騒な所だもんな。」
「へ?もしかしてさっきの爆発の事…?やっぱり、はんらん…とかなの……?」
天音は心に引っかかっていた事を、率直に京司に投げかけてみた。
星羅の言っていた事は、やっぱり本当なのだろうか。それがなぜか気になって仕方ない。
「……誰に聞いた?」
すると突然、京司が今までとは違う、低い声を出し、片方の眉をゆがませた。
「え、あの、同じ部屋の子が反乱の人がやったんじゃないかって…。」
「…ふーん。そう思う奴もいるのか…。」
もちろん京司の元には、何者かの仕業でその爆発が起きたのだと報告は上がっていた。京司は、ごく一部の人間しか知らないその真実が、どこからか漏れてしまったのかと危惧したが、どうやらそうではないらしい。
その事に少し安堵したが、もちろん京司は真実を口にする事はしない。
しかし、反乱者がやったのではないか、と考える者がこの国に居る事は何ら不思議ではない。
「……私、何にも知らなかった。そういう、不満とかある人がいるなんて…。」
「不満か…。」
京司はその言葉に目線を地面に落とした。
「何が不満何だろう?」
そんな京司には気がつかず、天音は何気なくその言葉を口にしてみた。
「え…。」
「おかしいよね!?不満があるなら言えばいいのにね。そんな爆破?とかじゃなくて。」
天音の曇りのない瞳が、まっすぐ京司に向けられた。
京司は、そんな天音の突き刺さる視線に、思わず目を見開いた。
そう、彼女は正しい。そう考えるのが当たり前なのに…。
しかし、凝り固まった概念を持った大人達は、そんな単純な考えができなくなっている。

