天音は食事の後も、まだ先程の事が気になっていた。
村で暮らしていた時には、考えた事もなかった。
この国に不満を持つ者がいるなんて。
天音はそんな風に、考え事をしながら、一人城の中をウロウロと歩いていた。
…あれ、こっちって…。
気がつくとそこは、見覚えのある場所。大きな池があり、辺りには緑が生い茂っている。
天音は無意識のうちに、また池のある中庭へと辿り着いてしまっていた。
『池には行かない方がいい。』
天音はふと、先程の彼女の言葉を思い出した。
しかし駄目だと頭では思っていても、天音の足は、真っ直ぐとその方向へと向かっていた。
「何してるの?」
天音はそこに人影がある事を見逃さなかった。そして、その寂しげな背中に話しかけずにはいられなかった。
「天音!もう来ないかと思った。」
すると、天音の姿を捉えた京司が、まるで無邪気な子供のような笑顔を天音に見せた。
「え…あ、うん。月が綺麗だから見に来たの。」
京司のそんな笑顔に、池にはいかない方がいいと言われた彼女言葉は、もうどこかへと吹き飛んでしまった。
やっぱり彼に話しかけてよかった。なぜかそう思ったのだ。
「ああ、そうだな。この庭は月がよく見える。」
京司もそう言って、空を見上げた。
「あの…あなた。」
「京司。」
「あ、京司は、えっと……、何しにここへ?」
…そんな事聞きたいんじゃないのに!
天音は月の光に照らされた彼の顔にドキドキしながら、そんなどうでもいい事を聞いてしまった。
「あー。鯉に餌やりに?」
「あ、そっか。」
天音同様に、京司もそんなどうでもいい答えでその場を誤魔化した。
君が来るのを待っていた…。
何て、口が裂けても言えるわけはない。
「そーいや、天音は村から来たって言ってたよな?」
話題を変えるためにも、天音に興味深々の京司は、彼女の村について尋ねた。
「うん。私の村は輝夜村。すっごく小さな村なんだけど、村の人達はみんないい人で、野菜とかも自分で作ってたんだよ。」
「平和な村なんだな。」
京司は、なぜだか天音の話に、どこか寂しそうに小さくそうつぶやいて、空に浮かぶ月を見上げた。
「え、うん。そうだね…。」
そんな彼の寂しげな表情に、天音はまた少し戸惑った。
何が彼をそうさせているのだろう。
天音も京司の事が、だんだんと気になり始めていた。
村で暮らしていた時には、考えた事もなかった。
この国に不満を持つ者がいるなんて。
天音はそんな風に、考え事をしながら、一人城の中をウロウロと歩いていた。
…あれ、こっちって…。
気がつくとそこは、見覚えのある場所。大きな池があり、辺りには緑が生い茂っている。
天音は無意識のうちに、また池のある中庭へと辿り着いてしまっていた。
『池には行かない方がいい。』
天音はふと、先程の彼女の言葉を思い出した。
しかし駄目だと頭では思っていても、天音の足は、真っ直ぐとその方向へと向かっていた。
「何してるの?」
天音はそこに人影がある事を見逃さなかった。そして、その寂しげな背中に話しかけずにはいられなかった。
「天音!もう来ないかと思った。」
すると、天音の姿を捉えた京司が、まるで無邪気な子供のような笑顔を天音に見せた。
「え…あ、うん。月が綺麗だから見に来たの。」
京司のそんな笑顔に、池にはいかない方がいいと言われた彼女言葉は、もうどこかへと吹き飛んでしまった。
やっぱり彼に話しかけてよかった。なぜかそう思ったのだ。
「ああ、そうだな。この庭は月がよく見える。」
京司もそう言って、空を見上げた。
「あの…あなた。」
「京司。」
「あ、京司は、えっと……、何しにここへ?」
…そんな事聞きたいんじゃないのに!
天音は月の光に照らされた彼の顔にドキドキしながら、そんなどうでもいい事を聞いてしまった。
「あー。鯉に餌やりに?」
「あ、そっか。」
天音同様に、京司もそんなどうでもいい答えでその場を誤魔化した。
君が来るのを待っていた…。
何て、口が裂けても言えるわけはない。
「そーいや、天音は村から来たって言ってたよな?」
話題を変えるためにも、天音に興味深々の京司は、彼女の村について尋ねた。
「うん。私の村は輝夜村。すっごく小さな村なんだけど、村の人達はみんないい人で、野菜とかも自分で作ってたんだよ。」
「平和な村なんだな。」
京司は、なぜだか天音の話に、どこか寂しそうに小さくそうつぶやいて、空に浮かぶ月を見上げた。
「え、うん。そうだね…。」
そんな彼の寂しげな表情に、天音はまた少し戸惑った。
何が彼をそうさせているのだろう。
天音も京司の事が、だんだんと気になり始めていた。

