何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【前編】

「ない…。」



リュウと競争したあの丘はあるのに、彼はもういない。



『ハイ。今日の牛乳。』



ヤンおばさんが育てていた牛達が毎日食べていた緑はあるのに、牛も、ヤンおばさんの家もない。


「…。」



そこは、確かに村のあった場所。
それは確かなのに…。

しかし、そこには、家も人も全てがなくなっていた。
そう、そこにあったはずの村が、跡形もなく消えてしまった。



…じいちゃ…ん…みんな…どこ…。