「おい!姉ちゃん。」
天音は疲れが溜まっていたせいか、馬車に揺られ、熟睡してしまっていたようだ。
そして、馬車に乗せてくれたおじさんの声で、天音はやっと目を覚ました。
気がつくと夜はすっかりと明けて、朝日のまぶしい光が、天音の目に飛び込んできた。
「んー。」
「着いたぞ!中月町」
天音は朝日を取り込むように、大きくの伸びをし、馬車から降りて、久しぶりに地面を踏みしめた。
「ありがとう!おじさん。」
「ああ、気をつけてな。」
天音は、気前のいいおじさんんのおかげで、何とか中月町に辿り着いた。
「…ここが中月町。」
天音は町の入り口に立って、その町の様子を見渡した。
もちろん、城下町に比べれば小さな町。しかし、天音の村に比べれば十分に大きく、人々の行き来もそれなりにあるようだ。
「よし!」
天音は意を決して、中月町の中へと足を踏み入れた。
「へー、ここが中月町かー。」
小さな町だが、衣食住には困らない程度のお店は、それなりにそろっているようだ。
村育ちの天音には、充分すぎるほど潤った町に感じられた。
天音が高熱を出しこの町に来た時の事は、もうあまり覚えてないが、何故かこの町を懐かしく思った。
「いい町だなー。おっと、輝夜村の事聞いてみなきゃ!」
町をゆっくり見て周りたいのはやまやまだが、天音にはそんな時間はない。
とにかく輝夜村への行き方を、聞き込みしなければならない。

