「よかったー。」 馬車に揺られている天音は、ホッと胸をなでおろしていた。 中月町なら知っている人がいたので、そこまでの行き方を書いてもらい、さらには馬車に乗せてくれる人も見つけた。 「今日は満月なんだ。」 天音は、窓の外に浮かぶ満月を見て、満足気にそうつぶやいた。 真っ暗闇の荒野の中で、満月の光だけが優しく天音に降り注いでいた。