何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【前編】


「絶対戻って来る印。」
「…。」
「約束する。」
「え…。」

…知っている…。なぜかそう思った…。


…これは何ていう気持ちだろう…?


…これは前にもどこかで…。



「あ、じゃあ、私もう行かなきゃ。」

天音は、いつもここで別れる時と同じ言葉を口にした。
そう、それは、いつもとなんら変わりない言葉。

「ああ。」
「またね。」

そう、この言葉も…。

「天音!」

京司は思わず天音を呼び止めた。

「もう一度、村の名前教えてくれ。」
「え?輝夜村だよ。」
「…そうか。」
「じゃー!またね。」

そう言って、天音は元気に駆け出して行った。
外の世界へと向かって。



「間違ってなんかない。」

京司がポツリと小さくつぶやいた。

京司は、天音の背中が小さくなって見えなくなるまで、彼女の後ろ姿を見送った。

必ずまた、彼女の笑顔をもう一度見れるようにと願いながら…。