何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【前編】

それから数日後、その日はすぐに訪れた。

「準備できたー?」

華子が今日も元気よく、まるで号令のように声をかけた。

「うん!」

天音もそれに答えるかのように、元気に返事をした。

「て、何も準備なんていらないよね。また、戻って来るんだし!」

そう言っている華子だったが、この三人の中で一番大きなバックを抱えているのは、華子だった。

「あ!ちょっと私、行く所あるから。城の門の所で待ってて!」

天音はそう言うと、どこか慌てた様子で、部屋を飛び出して行った。

「もー!」
「…いつも通りね…。」

それを見た星羅が小さくつぶやいた。
そう、天音はいつも通り。この城へ来た時となんら変わらない、元気いっぱいの姿を見せていた。

「へ?」
「…。」

その星羅の意味深な言葉に、華子は首を傾げた。