カツン

その場所は城の地下にあった。日はほとんど差し込まないこの場所は、暗くて冷たい…。
そして、彼女の足音だけがそこに響き渡る。

「まったく、あなた何してるの?」

かずさが、そこにいる彼に冷たく言い放った。

「…。」
「捕まってどうするの?」

蔑むようにかずさは、牢の中で横たわる月斗の背中を見下していた。

「さあ?」

ここは月斗が捕らえられている城の地下にある牢屋。
彼がここへと捕らえられたのは、もう2回目。

「もう当分、天音は青に会えない…。あなたの思惑通りね。」
「…。」
「でも、それが正しいと思う?」
「あ?」

月斗は不機嫌な声を出し、少しだけ体制を起こした。

「青い鳥はかごの中にずっといたら、飛べなくなる。青いうさぎは、一匹になって死んでいく。」
「何が言いたいんだよ!!」

いよいよ月斗はイライラし出して、大声を上げた。
こんな場所に投げ込まれているだけでイラついているのに、かずさの一言一言が勘に触る。

「本当に何も知らないのは…。」
「出てけよ!!」

ついに月斗はかずさの言葉を遮って、怒鳴った。

「こんな時くらい、助けてって言えないの?」

しかし、そんな月斗に食ってかかるのがかずさだ。
どうやらかずさは、空気を読むというスキルは持ち合わせていないらしい。