「あなたには…。」
「天師教。」
また違う声が京司の背後から、聞こえた。
そう、天使教と呼ぶその声は、もちろん辰のものではない。
その憎しみに満ちた声は…。
ザー
「…。」
「お前なんて…。」
そこに立っていたのは、ナイフを握りしめていた月斗だった。
激しく降る雨が、彼を叩きつける。
「…殺せよ…。」
京司は、雨にかき消されそうなほどの小さな声で、つぶやいた。
「やめろ!」
「やめろや!」
そこに辰の声と重なるように聞こえてきた叫びが、京司の耳にはっきりと届いた。
「天師教を殺して何かいい事あるんか?何か変わるんか?」
雨の音に混じりながら聞こたのは、りんの声。
りんは傘を捨てて、迷う事なく、月斗にジリジリと歩み寄る。憎しみに満ちた月斗の瞳を、じっと見つめたまま。
『天使教がいるかぎり、この国は変わらない。』
「いいか、こいつは絶対に殺しちゃいかん。」
りんは月斗の襟を掴み、強い瞳で彼を制した。
カラーン
月斗の手からは、ナイフが滑り落ち、彼はまるでゼンマイが切れた人形のように動かなくなった。
――――俺が変えたいのはこの国なんかじゃない
月斗はそのまま、力なく地面に座り込んだ。
辰は京司を守るように彼の前に立ちはだかり、一歩も動こうとしない。
「天師教。」
また違う声が京司の背後から、聞こえた。
そう、天使教と呼ぶその声は、もちろん辰のものではない。
その憎しみに満ちた声は…。
ザー
「…。」
「お前なんて…。」
そこに立っていたのは、ナイフを握りしめていた月斗だった。
激しく降る雨が、彼を叩きつける。
「…殺せよ…。」
京司は、雨にかき消されそうなほどの小さな声で、つぶやいた。
「やめろ!」
「やめろや!」
そこに辰の声と重なるように聞こえてきた叫びが、京司の耳にはっきりと届いた。
「天師教を殺して何かいい事あるんか?何か変わるんか?」
雨の音に混じりながら聞こたのは、りんの声。
りんは傘を捨てて、迷う事なく、月斗にジリジリと歩み寄る。憎しみに満ちた月斗の瞳を、じっと見つめたまま。
『天使教がいるかぎり、この国は変わらない。』
「いいか、こいつは絶対に殺しちゃいかん。」
りんは月斗の襟を掴み、強い瞳で彼を制した。
カラーン
月斗の手からは、ナイフが滑り落ち、彼はまるでゼンマイが切れた人形のように動かなくなった。
――――俺が変えたいのはこの国なんかじゃない
月斗はそのまま、力なく地面に座り込んだ。
辰は京司を守るように彼の前に立ちはだかり、一歩も動こうとしない。

