「だって、同じ人間でしょ?」
『天使教は、神なんかじゃないのに…。』
(それはジャンヌの言葉か…。)
「辰さん…?」
「覚悟は…あるのか?」
ザーッ
その雷を合図に、雨音はいっそう激しくなるばかり。
「へ?あるよ!私決めたんだから!」
ピカー ゴロゴロ
窓の外では、未だ雷が不機嫌な音を鳴らし続けている。
――今ならまだ、間に合う…。
辰は決心を決めた。
「…天師教は最近、上の階からこの階に降りてくる事があるらしい。」
「うん。」
天使教とその家族がいるのは、天音達、妃候補が使う1階ではなく、もう1つ上の階だ。
しかし、彼は中庭のあるこの1階に降りてくる事が最近よくあるという噂を辰は耳にしていた。
もちろん、天使教が1階に降りる事など、許されてはいないはずだったが、京司がそんな規則を守るわけがない。
「この先に、上の階へと続く階段が見える場所がある。少し遠いが、そこが唯一、天師教を見れる場所だ。そこから天師教に、気づいてもらうしかない。」
そこはもちろん、限られた者しか立ち入る事は出来ない場所。妃候補など、もってのほか。
しかし、辰は天音にその場所を教えた。
それは…。

