「…。」
「お前が姉さんを殺したんだろ!!」
ザ―
青の声と風の音だけが、その場所に響き渡った。
「風花…。お前の弟はずいぶん生意気になったな。」
お墓の方へ向かって、月斗がポツリとつぶやいた。
“風花”それは、青の姉の名前。
「…。」
青は下を向いたまま、顔を上げる事はない。
「いいか、アイツ、天音には絶対関わるな。」
そう言って月斗は去って行った。
「お前に…何がわかる…。何もわかってないのは、お前なんだよ。」
青はまだ下を向いたまま、その言葉を吐き捨てた。
そんな青の足元で、月下美人が激しく吹く風に、煽られるように揺れていた。

