「もちろん玉の輿に決まってるじゃん!」

華子が自身満々に笑顔で答えたその答えは、やっぱり華子らしいものだった。
それを聞いて、天音はまた、クスクスと笑い出した。
まあ、確かに天音も初めは、華子と同じような考えがきっかけだった。
そんな昔の事を思い出しながら…。

「バカ…。」

そして星羅は、やっぱりいつものように呆れた顔で華子を見て、ため息をついていた。

「でも、華子らしいね。」
「一生遊んで暮らせるんだよ。ずーっと好きな事して生きていけるんなんて、最高じゃん!」

華子は自分の理想を、目を輝かせてニ人にうったえる。そんな所がやっぱり、華子らしい。天音はそう思いながら、また笑った。

「今やりたい事やらなきゃ損でしょ。」
「そうだね。」

呆れかえる星羅の横で、天音も華子のその意見をすんなりと受け入れ、大きく頷いた。
それぞれ動機は違えど、この城に来て、同じ部屋になったニ人に天音は、やっぱり何かの縁を感じていた。

そして星羅は黙って、沈みかかったその夕日へと視線を移した。