?『汐留、真面目に書け』


リサの進路希望に呆れた表情を見せるのは


このクラスの担任、中村先生__


通称ムラセンだ。


そりゃ、ムラセンもそうなるわな。


ムラセンとリサのやり取りを見ながら


そんな事を思う私は性格が悪いのだろう。


リサ「真面目に書いた結果です。」


中村「だめだ。書き直せ。

自分の事なんだぞ?」


ムラセンは強くリサに言うと


進路希望調査表を突き返した。


リサ「‥はぁ」


中村「ため息をつくな。‥席に戻れ」


リサ「はいはい‥」


いじけた様子のリサは口を尖らせながら


自分の席へと戻ってきた。


「リサ‥ドンマイ」


私は席に着いたリサへと振り向き、


励ましの言葉を贈った。


これが最良の選択。


リサは何も言わず私に軽く頷き


進路希望調査を机の中に入れた。


そんなリサを横目に見て、言葉を更に続ける中村を眺めた。


中村「いいか?お前ら。

進路希望はあくまで現時点でのお前らの目標だ。

やりたい事行きたい大学や専門学校がないなら

少しでも興味がある事を書いてみろ。

最終的に自分の将来を決めるのはお前らだ。

真剣に考えろ。」




男子A『先生、質問しても良いですか?』


1人の男子が手を挙げた。


こんな空気で中々勇気あるなぁ。


リサ「‥あいつ凄いよね笑笑」


肩を軽く突かれて振り向くとリサは少し面白そうに質問した男子を見つめる。


さっきまでいじけてたリサがまた普段のリサになっていた。


ほんと気分屋だなぁ‥。

それがリサの長所でもある。


「ねっ笑笑」


質問した男子の前に立ち腕を組み質問に応じる中村は少し眉毛を寄せている。


中村「なんだ?」


男子A『なんで、教師になろうと思ったんですか?』



中村「‥‥」