あ…。
そんな女性に混ざって、一番前の席に淳ちゃんを見つけた。
目が合うと、満面の笑顔で手を振ってくれる。
莉子さーん、と口が動いている。
さっきまでの焦りも吹っ飛んで、つい私も笑顔で振り返す。
可愛すぎる。アイドルにも劣らない。
淳ちゃんがアイドルになるなんて表明した日には、きっとアイドル業界に旋律が走る。それくらい私の後輩は奇跡の可愛さを持っている。
よし。
淳ちゃんのおかげで元気をもらった。
司会を始めよう。
「それでは、時間になりましたので、始めたいと思います。
まずは、今回お越しいただいた講師の方を紹介します。
駅前の交番に勤務されています、警察官の…」
思わず原稿を読む声が止まる。
なんで?
見たくない名前が書いてある…。


