「あ!ここにいたんだ。
また逃げたのかと思った」

「あ、びっくりした」

今こうして見てると、全然普通に見える。
余命宣告を受けているようには見えない。

「で…、何かご用ですか?」

「ちょっと精度を試してみたくて。

うん。ブレスレットよく似合ってる。
大事にしてくれてる?」

ちらっと目をやると、彼の袖からも青いブレスレットが見える。
お揃いだって改めて思うと、私だけ堂々とつけてるのが恥ずかしくなる。

いつか…。
これを見て、彼を思い出す日が来るのかな。
この日々を、懐かしんだりするのかな。
いくら憎く思っていても、そんな寂しい日、来てほしくない。