夜。
ベットを配置しなおした。
昨夜の位置から、さらに彼から距離をとった。

「いや、遠くない?なんでそんな端っこに移動させてんの?」

「あなたから一番遠いところがいいからです」

「同じ部屋なんだから、襲おうと思えばいつでも襲えるのに、そんな抵抗してんの?
無駄なことが好きだねー。
ま、今のうちに思う存分抵抗しときなよ」

無視無視。
こういうのにいちいち相手してた、逆につけあがるに決まってる。

「あ、そうだ。
呼び方を決めないと。
職場では蒼井だけど、それは他の家族と被るから却下。
大体うちの使用人は楓馬様って呼んでる。
友達からは楓馬って呼ばれることが多いかな。それから、楓馬君。
どれがいい?」

呼び名を書いた紙を3枚机に並べて選べと言う。