あー、面倒。これで何人目だよ。

だから大学の警備なんてやってられないんだ。

「警察官って名刺とか持ってないんですか?連絡先教えてくださいよー。
それが無理なら私の連絡先教えるんで!」

「…はぁ。職務中ですので」

大学祭だから多少浮かれるのも仕方のないこと。
だからって、俺を巻き込むな。

大体そのサンタのコスプレは何なんだ。
肌を見せたいならよそでやれ。

あまりの鬱陶しさに、一旦警備の仕事を抜け出す。
向かったのは、ステージ裏。
呼び出された時間よりも少し早かっただろうに、そこにはすでに待っている人物がいた。
相手はその辺の女子大生でもなければ、莉子でもない。