すごい。
これは、どうやって着るんだろう。

「やっと来たわね。
あなた、ぼーっとしてないで荷物持ちなさいよ」

「え…?」

右手に持ったステッキで荷物を運ぶように指示された私たち。
これだけの態度をとるってことは、どこぞのお嬢様ってところだろうか。

どなたなんだろう。
この屋敷に、いったい何の用が…?

はぁ…。
せっかくの休日なのに、また振り回される一日が始まりそうだ。

「ちえみ様。今日はいかがされましたか?」

咲さんがすぐに動きだし、てきぱきと荷物を抱えて、彼女のあとをついて行く。