いつまでこんなこと続けるつもりなんだろう。

帰ってやらなきゃならないこともある。
私だって暇じゃない。

どうやったら逃げ出せるんだろう。
そんなことばかり考えていた。

「そろそろ夕食だな。
向こうに用意してあるから行こうか」

「え?
いえ、私は結構です」

夕食なんて御馳走なって、変に貸しを作りたくない。
それに、今はこの人の全ての言動に反発してやりたい。
何一つ、言うとおりに動きたくない。

こんなささやかな抵抗しかできないけど、こうでもしないと気が済まない。

「なんで?お腹空いてないの?」

「そうです」

「嘘だね。
行くよ」

強引に手錠を引かれたせいで、ずるずると部屋の外に出てしまう。
拘束を良いように使われてる。