「お困りのことがあればもちろん。
冷やかしの場合は公務執行妨害で逮捕しまーす」
あ、よかった。
さすがにふざけた質問にはふざけて返してくれた。
「え、逮捕されたいよね」なんて小声が耳に入るけど、今のは聞かなかったことにしよう。
こういう質問が入ると、次からの質問はだいぶハードルが下がる。
ほら、やっぱり。
どんどん手が挙がっている。
…誰を指名しよう。
迷う…。
よし、こういうときのためのとっておきの手がある。
「では、次が最後ですので、蒼井さんに選んでもらおうと思います。
はい、よろしくお願いしますね」
こうしておけば、指名されなかった人から私が責められることはない!
「俺?
そうだな…。じゃあ、君。
クリーム色の髪の子」
全体を見渡してから、彼が指したのは一番前の席に座る淳ちゃん。


