「ど、どうぞ」

「好きな色は?」

「好きな色?
…オレンジ、ですかね」

「うん、なるほど」

なんで色を聞いたの?
なんで納得してるの?

何もわからない!

「本当に手錠外してくれないんですか?」

「だって鍵無いじゃん」

無いじゃんって、あなたが投げたからでしょ。
いくら話したところで埒が明かない。

「もういいです!」

そこから私は、抵抗の手段として無言を貫くことにした。