―――――中島
俺は毒島と共に、ほんのついさっきに本当なら踏み込む筈だった現場の雑居ビルに戻ってきた。
救急車の中で、下手をすりゃ朝まで粘っていそうだった小池は、聞き分けなくココへも着いて来ようとしたが、『ディスクをお前に預ける、俺じゃコレを調べる当てが無い、お前が頼りだ、頼んだぞ』とガキを騙すようにアメリカ人から受け取ったディスクを渡し、何とか病院へと追いやった。
現場の雑居ビルの周りは既に野次馬で溢れていて、数台のパトカーとテープで封鎖した通りの向こう側にはテレビ局の中継車も来ていた。
そんな野次馬を掻き分けて、雑居ビルの手前で封鎖線を死守している制服警官に毒島はバッチを見せ、俺の方を指差し「コイツは公安」と言うと制服警官は明らかに不快な顔をしながら封鎖線を上げ俺達を中に入れた。
ビルの中では既に鑑識がエレベーターの現場写真を撮り始めていたが、驚いた事に俺はエレベーターの中にも仏さんが居た事に気付いた。
サラリーマン風だが、どう見ても堅気と言った感じではなかった。
「ここにも仏さんか…」
毒島が苦い顔をしながらエレベーターの中を覗き呟く。
「コイツも撃たれたのか?」
『いや、俺は非常階段から降りて来たから分からん』
「…そうか」
俺は毒島と共に、ほんのついさっきに本当なら踏み込む筈だった現場の雑居ビルに戻ってきた。
救急車の中で、下手をすりゃ朝まで粘っていそうだった小池は、聞き分けなくココへも着いて来ようとしたが、『ディスクをお前に預ける、俺じゃコレを調べる当てが無い、お前が頼りだ、頼んだぞ』とガキを騙すようにアメリカ人から受け取ったディスクを渡し、何とか病院へと追いやった。
現場の雑居ビルの周りは既に野次馬で溢れていて、数台のパトカーとテープで封鎖した通りの向こう側にはテレビ局の中継車も来ていた。
そんな野次馬を掻き分けて、雑居ビルの手前で封鎖線を死守している制服警官に毒島はバッチを見せ、俺の方を指差し「コイツは公安」と言うと制服警官は明らかに不快な顔をしながら封鎖線を上げ俺達を中に入れた。
ビルの中では既に鑑識がエレベーターの現場写真を撮り始めていたが、驚いた事に俺はエレベーターの中にも仏さんが居た事に気付いた。
サラリーマン風だが、どう見ても堅気と言った感じではなかった。
「ここにも仏さんか…」
毒島が苦い顔をしながらエレベーターの中を覗き呟く。
「コイツも撃たれたのか?」
『いや、俺は非常階段から降りて来たから分からん』
「…そうか」