―――――京子



『エ~!!・・コレもなのぉ?!』


 トラックのドアは激突の衝撃で歪んだらしく、唯でさえ車体が高く力の入りにくいドアトリムは簡単には開いてくれなかった。

運転席のドアを諦め、トラックの後方から助手席側に向かおうとすると、嫌な感じの男が進行方向を背中で塞ぎアタシを遮る。


「出るな!!陰にいろ!!・・・トラックが動くかどうかは試したのかよ?」


男が此方も見ずに、命令するように指示する言葉がアタシをイラッとさせる。


『ドアが開かないんだから試しようがないじゃない!!助手席に廻るから退いて!!』


男は呆れたような溜め息を吐いて、前方を銃口で指し示すような動作を見せる。


「すぐそこまで来てるんだぜ・・・あの素人連中でも、アンタのデカケツ撃ち抜くのは容易いだろうよ・・・」


『なっ!!アタシそんなに尻デカくないから!!』


「なんにしても、今トラックの陰から出たら終いだ。トラックは諦めて、さっさとこの場から離れた方が身のためだぞ・・バカオンナ」