アタシはアタシが何を悔やんでいるのかを掴めない。

ただ、つかえた気持ちの正体が胸の奥でアタシを締め付ける。

 アタシは目を見開き、自分の居場所を確かめる。

そこに広がっていたのは、間違い無く乾いた赤い大地のアフリカと、アタシに銃を突きつけている黒人ゲリラ。

そして間も無くアタシは死ぬと言う現実。

アタシは無条件に絶望し、恐怖に身を震わせながらその瞬間を待つ事は叶わず、胸につかえる気持ちを抑えつける事しか出来なくなった。

だけど、その気持ちの高ぶりは抑えつける事が出来ず、ついには見開いた瞳から涙がこぼれ出す。

 ゲリラは一度首を傾げ、無表情に銃の先でアタシのオデコをコツく。

アタシは二度と後悔に包まれないように、まばたきすら惜しむ程に目を開き、ゲリラの向ける銃の引き金を見つめる。

ゲリラの右腕がピクリと動き、アタシはその瞬間が来るのだと理解する。

 その時、突然間近に銃声が聞こえ、通りの向こうからわめき声と大きなエンジンが混じった音が響いて来た。

ゲリラ達は、すぐさま銃口をアタシから通りの先に向ける。

通りの先からは、大きく砂煙を上げながら一台のトラックが走ってきた。