―――――中島



 「国土再生舎・・・四階の一番奥の筈です」


小池がエントランスのプレートを確認し、俺に小声で囁きかける。


『・・小池』


「はい」


『ベッドでもそんな風に囁いてるだろ?・・・気色悪いぞ』


「中島さん!!」


小池は血相を変えるが、声を荒げる事が出来ず、オカマみたいな仕草で俺を叱りつける。

俺は鼻で笑い、小池はもどかしく睨み付ける事しか出来ず、益々俺を楽しくさせる。


『小池、お前は非常階段で行け。俺は膝が悪いからエレベーターで行く』


「中島さん!!」


小池がまたオカマの様に叱り付ける。

俺は『分かった分かった』と言った感じで、両手を挙げて薄暗い雑居ビルの階段に向かう。


「中島さん」


『ん?』


「俺思ったんですけど、中島さんって変態ですよね?」


『ハァ?』


「楽しんでるでしょ?踏み込む前の中島さんって、いつもそんなですよね・・」


小池が捨てゼリフの様に吐き捨て、非常階段へ向かう。