セダも、グレンも、戦いに慣れている。剣術の腕はどちらが上かなど誰にも決められない。それほどこの二人は強いのだ。

戦いが始まって数時間。未だにどちらも勝利を譲らない。船員たちは早くグレンに勝ってほしいと自分たちも剣を手に取る。

「やめろ、お前らは手を出すな。これは俺とセダの戦いだ」

グレンがそれにすぐに気付き、船員たちに命令する。船員たちは渋々剣を捨てた。

「……お前なら「戦え」と命令すると思った」

セダがそう言うと、グレンは笑う。

「あの東洋のお姫様の前で、俺がお前に勝たないと意味がないんでね。お前が俺に負ければ、あの女も諦めて俺のものになるだろう」

「……カヤをどうするつもりだ?」

セダは低い声で言い、剣を叩きつける。グレンは言った。

「とりあえず、ハナダの宝の場所を教えてもらう。そして、一生俺の目の届く場所にいさせる。……まあ、することだけしてガキを作っちまえば逃げられないだろう」