アクセサリー屋にいる男性は、セダだけだった。セダは女性の視線に恥ずかしさを感じながら、ケースに入れられたアクセサリーを見て回る。

ピアス、ブレスレット、指輪、ネックレス、ブローチ……。

煌めくアクセサリーに、セダはカヤの顔を思い浮かべる。カヤの笑顔をセダはまだ見たことがない。

カヤに似合いそうなものを探していたセダは、一つのブレスレットに足を止める。それは、水色の貝のついた可愛らしいブレスレットだった。

「海か……」

セダは迷わずにそのブレスレットを買う。貝には魔除けの効果がある。カヤをこのブレスレットが守ってくれる。そう思ったのだ。

セダはラッピングをしてもらい、ブレスレットをコートのポケットに入れる。そして船に向かって歩き始めた。

「おや、海賊アレスの船長じゃねえか」

セダが道を歩いていると、前方からニタニタと笑いながら海賊が三人歩いてくる。セダ一人なら三人なら勝てると思っているのだろうか。余裕の笑みだ。