からかうようにライリーが言う。セダは「うるさい!」とそっぽを向いた。カヤの寂しげな表情を見れば見るほど、何とかしてやりたいとセダは思っていた。

すると、セダの目にアクセサリーを売っている店が目に入る。多くの女性客が訪れ、賑わっていた。

「ライリー、あそこの店を見て行ってもいいか?」

セダがライリーに訊ねると、ライリーはニヤリと笑う。そして、セダの背中を叩いて言った。

「いいよ〜!あたし、カヤの下着を買いに行くからあんたはカヤに似合いそうなもの買ってあげなよ〜」

バンバンとライリーは何度も背中を叩く。セダは「痛いからやめろ!」と言い、赤くなった顔を背けた。

「アクセサリーっていえば、カヤって涙の形のネックレスしているよ。だからネックレスはやめとけ」

「ネックレス……?」

セダは記憶を辿る。カヤを見つけて抱き上げた時、涙の形をしたネックレスをかけていたかもしれない。

ライリーはあっという間に人混みの中に消えていく。セダはアクセサリー屋へと入った。