カヤは、船医の二人とライリー、そしてゴドフリーとアイザックとは少しずつ心を開いているようだ。特にライリーとグレースには、笑顔を見せたりするらしい。

しかし、セダのことはどこか怯えているようで、セダが少し体を動かすたびにびくりとカヤは体を震わせる。

「何であんなに怯えるんだ……。俺が見つけたのに……」

セダはぶつぶつ言いながら、ライリーとスペスの街で買い物をする。カヤの着替えなどを買うためだ。

「まあ、海賊に攫われて暴力を振るわれたんだし、誰かを怯えるのは当たり前じゃない?あんた、カヤが目を覚ました時に無理やりベッドに連れて行こうとしたし……」

ライリーがカヤに似合いそうな服を選びながら言った。ライリーとカヤでは体格が違う。カヤは百四十五センチととても小さく、ライリーの服は大きすぎるのだ。

「でも、女を取っ替え引っ替えしているようなあんたがカヤのことをあんなに心配したりするなんてね。カヤに一目ぼれでもしたの?」