セダがそう言うと、ライリーが訊ねた。

「セダ、まだその子は眠っているの?」

セダが頷くと、ゴドフリーが「じゃあさ!」と微笑む。

「俺たちもその子のことを交代で診るよ。セダのそんな顔を見るの初めてだし」

セダは顔に手を当てる。自分がどんな顔をしているのか、自分ではわからない。でもきっと、みんなが初めて見る表情なのだろう。

セダは「ありがとう」と呟き、医務室へと向かった。

医務室の扉を開け、少女を見つめる。少女は深く眠っていて目を覚まそうとはしない。

セダは少女の小さな手を握った。



少女が目を覚ますまで、セダたちはスペスに滞在することにした。

そして、保護してから三日後のこと。

少女をベニーとグレースに任せ、セダたちは昼食を広間で摂っていた。その時ーーー。

ガタンッ!!

大きな音が医務室の前から響く。セダは食べるのをやめ、広間を出た。アイザックとゴドフリー、そしてライリーも続く。