「……築島のとこ行け」



そう呟いた加瀬くんはとても切なくて。



「な…んで…?」


加瀬くんからそんなこと言われると思わなくて。


「芹奈は築島といる方が幸せになれるよ。」

加瀬くんは私と目を合わせることもなく淡々と話す。



「築島の言う通りなんだ。渡さないって言ったって泣かせてたら意味ないよな。」


加瀬くん…
なんでそんな事…