「…芹奈。」

しばらくして私の名前を呼んだ加瀬くんはとても切ない顔をしていた。


「加瀬くん…?」

私はなんだか嫌な予感がして、
加瀬くんの隣に座った。

「…まず螺旋階段の時の話するけど…あの子に告られたけど、芹奈のことが好きだからって断ったんだ」

え…じゃあ、
あの好きだよって…

「芹奈ちゃんのことが好きなの?って聞かれたんだ」


私タイミング悪くて、
そこだけ聞き取っちゃったってこと…?


「私の勘違いだったんだね…ごめんね。」


じゃあ、あの時照れたのも、
それも含めて聞かれてたって思ったからだったんだ。



「それは勘違いで終わるからいいんだけど…」


加瀬くんはその言葉の続きを躊躇った。