加瀬くんはモテる。
だから、
女の子だって選びたい放題。
私じゃなくてもいいわけで…
階段を降りきって、
靴箱に向かう途中
目の前の人と思いっきりぶつかった。
「ごめん!大丈夫!?怪我してない…って芹奈ちゃん?」
上を向くと築島くんが立っていた。
あぁ…私築島くんにぶつかったんだ。
「ごめんね。築島くんも大丈夫?」
「……何で泣いてるの?」
私の質問には答えず、
築島くんは私の涙を優しく拭った。
何でこんな時に会っちゃうんだろう。
「ううん、何でもないの。」
築島くんが一歩私に近づいた時、
体が後ろに引っ張られた。
「わっ…」
「はぁ…っ芹奈!」
私は息切れしてる加瀬くんの腕の中。
え…走ってきたの…?
なんで…?

