「お、高槻。いい所にいた。」


うわ。数学の先生…。
これは何か頼まれるやつだ…


「これ今日使う参考書だから、教室に持って行ってくれ。」

「え゛。これ全部ですか?」

「そうだけど?」

もうこれ、ノーと言わせないパターンね。

「…はい…。」


こんなに重いの女子に運ばせる!?


女と思われてないってことか…


「…よいしょっと…」


結構重い…
早歩きで教室に…


「持つよ!!芹奈ちゃん!!」

「え?」

気づけば、フワッと軽くなる腕。
目の前には優しい笑顔の彼。


「築島くん!!!」


あ、加瀬くんじゃないよ?
あの人、優しくないから。