「ちょっと、世捺!どうしたのそんなびしょ濡れ…!」


「傘忘れた」


お母さんにそうとだけ伝えて、私は自分の部屋の鍵を閉め、バスタオルを広げたベットに突っ伏した。


目を閉じても、まだ鮮明に思い出せる。


私と陵ちゃんはずっと一緒で、私の隣にはずっと陵ちゃんがいると思ってた。


陵ちゃんの隣に私じゃない誰かが並ぶなんて可能性考えもしなかった。


それが苦しい、なんて、


こんなの私が陵ちゃんを好きみたい。


消さなきゃ。消さなきゃ。消さなきゃ。


私と陵ちゃんは親友なんだ。


私は、自分の想いに嘘をつかなければいけない。